飯テロ小説、『妖怪アパートの幽雅な日常』を読んだ話
本日、紹介する本は
『妖怪アパートの幽雅な日常』 香月日輪作
児童書の中では結構有名な作品なので知っている方も多いと思います。
この作品・・・できることなら全てのご飯を愛する方に読んで欲しい!!!!!!
もうグルメ小説なの?ってくらい美味しそうな料理描写が次から次へと・・・。
あらすじ
高校入学と同時に洋館風の古いアパートで下宿生活を始めた稲葉夕士。
3食付きで格安、入居を決めたが実はこのアパート、地下に温泉が湧き妖怪たちが賑やかに暮らす”ことぶき荘”ならぬ”妖怪アパート”だった。
魅力的な登場人物
この物語ではどこを読んでも濃い、非常に濃いキャラクターばかりです。
そういった要素が”妖アパ”をさらに盛り上げています。
稲葉夕士(いなばゆうし)
この物語の主人公。中学時代に両親を交通事故でなくし伯父の家に引き取られるが、伯父一家とは折り合いがよくなく高校進学を機にひとり暮らしを決める。
縁の巡り合わせにより物語後半で「プチヒエロゾイコン」という魔導書のマスターになる。
一色黎明(いっしきれいめい)
一部に偏狂的なファンを持つ有名な詩人、童話作家。
男性であるが一人称は「アタシ」。
昔、熱狂的なファンに刺されそうになったことがある。
深瀬明(ふかせあきら)
暴走族風な外見とは裏腹に海外で人気の画家。
愛犬シガーとはよき相棒。みんなのアニキ。
久我秋音(くがあきね)
昼は普通の女子高生、夜は妖怪診療も行う「月野木病院」で修行も兼ねて働いている。
見習い除霊師。プチヒエロゾイコンのマスターとなった夕士の霊力トレーニングをつけてくれるなど、面倒見の良い子。ちょっと(かなり)大食い。
龍(りゅう)
長身長髪黒ずくめの謎多きイケメン。強大な力を持った霊能力者で、秋音の憧れの人。
ふらっとどこかへ行っては忘れた頃にふらっと帰ってくる。
古本屋(ふるほんや)
丸メガネに長髪の青年。
妖怪アパートのご飯が大好き。怪しいものや希少本を収集しており、自身も「七賢人の書」という魔導書のマスター。夕士の師匠。
骨董屋(こっとうや)
オールバックに口髭、黒いコートに眼帯という中二病を拗らせてしまったかのような癖の強い外見。
次元を超えて怪しい品物の売買をしている。
るり子さん
生前はホステスをしており、小料理屋を開くのが夢だったがつきまとう客にバラバラにされてしまったため、現在は手首から上だけの姿。
彼女の作る料理は絶品で季節ごとに食材を使い和洋中様々な料理に腕をふるう。
るり子さんの飯テロ料理
妖アパは物語の面白さもさることながら、料理描写が細かくてお腹が空いてきてしまいます。
夜中に読んではいけませんね、これは。完全な飯テロです。
最終巻に登場するだけでも
などなど1冊にこれだけの飯テロ爆弾が仕掛けられております。
るり子さんの手料理はあまりにも評判につき、本編とは別にお料理本が出版されています。
気になる方はぜひご一読ください。太ります。
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まとめ
妖怪アパートの幽雅な日常、少しでも感じていただけましたか?
終始ご飯のことばかりだった気がしますが、それ以上にストーリーも波乱万丈に満ちていて、次はどうなる?次は??と、ページを繰る手が止まらなくなります。
物語のテンポもよく、話し言葉で読みやすいので小学校中学年〜におすすめです。
もちろん大人が読んでもどハマりします。
主人公が周りの大人たちに良い意味で影響を受けながら成長していく姿に、全巻読み終わる頃には嬉しさと共に、手を離れていってしまうような寂しさも感じます。
外伝なども出版されていますので妖アパの住人になりたい方、美味しいご飯の空想に励みたい方、ぜひおすすめいたします!
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